心筋梗塞のカテーテル治療の流れとメリット・デメリット
心筋梗塞に対して行われるカテーテル治療とは、
カテーテルと呼ばれる細い筒を使って行われる治療のことで、
カテーテルを使って病変まで風船を運んで細くなった血管を拡張したり、
ステントと呼ばれる筒状の金属を病変部に留置して細くなった血管を太くしていきます。
カテーテル治療の流れ
カテーテル治療は局所麻酔によって行われる治療です。
手首や肘、太もものいずれかに局所麻酔をしてカテーテルを挿入します。
そして、挿入したカテーテルを通して風船やステントを病変部まで運び
細くなった血管を拡張していきます。
治療時間は1時間程度が一般的です。
しかし、複雑な病変や治療リスクの高い病変の場合5時間以上かかることも稀にあります。
カテーテル治療のメリット
カテーテル治療の最大のメリットは患者さんへの負担が少ないことです。
これは体への負担、金銭的な負担の両方を意味しています。
全身麻酔をして開胸するバイパス手術と比べ、
局所麻酔で鉛筆ほどの太さの管を体に入れるだけで治療できるカテーテル治療は
患者さんへの体の負担が少ないです。
合併症のリスクも少なく順調に治療が終われば手術後数日で退院できます。
治療費、入院費ともにバイパス手術と比べると安く済むため
患者さんへの負担は少なく済みます。
カテーテル治療のデメリット
カテーテル治療のデメリットは再狭窄率です。
再狭窄とは、一度拡張した血管が再び閉塞して心筋梗塞が再発することです。
カテーテル治療はバイパス手術と比べて平均して再発率が高い傾向があります。
近年、再狭窄を抑制するために薬剤が塗布されたステントが登場したことにより
再発率がバイパス手術と同等程度まで抑えられるようになってきましたが、
再狭窄抑制型のステントを留置すると抗血小板薬を一生飲み続ける必要があるため
その効果は一長一短です。