心筋梗塞 検査

心筋梗塞が疑われると様々な検査を受けることになります。

病院の外来で心筋梗塞が疑われたときには、各種診察とあわせて様々な検査を受けることになります。
以下が病院での診察および検査の大きな流れです。
(*これからご紹介する診察の流れは、患者さんの状態や医師の方針によって大きく変わることがある点をご理解ください)

 

 

 

@各種診察(問診/視診/聴診/触診) 
問診では、自分の症状を正しく説明することが非常に大事です。
問診で聞かれる項目は

 

・どういった自覚症状があるか
・発作が起きた時間(どのくらいの痛みがどれくらい続いたかなど)
・以前にも同じような発作を経験したことがあるか
・患者さん本人と、そのご家族の病歴
・現在服用中の薬の種類
・普段の食生活
・運動習慣の有無

 

といったことを中心に聞かれるはずです。
これにより、医師は病気の程度やリスクを判断します。

 

視診では、医師が患者さん顔色や唇の色といった全身状態を目で判断します。
聴診では、患者さんの心臓の音や呼吸音、血液の流れを音から診察します。
触診では、患者さんのむくみの状態や心臓の白銅、脈拍などを調べたりします。

 

 

 

A基礎検査 
各種診察が終わったら、その後基礎検査を行います。
基礎検査はどれも短時間で終わる簡単な検査です。
具体的には、

 

・心電図検査
・血液検査
・心エコー検査

 

といったものが挙げられます。

 

心電図検査を行うことで、症状の原因が心筋梗塞であるかどうかがわかります。
心筋梗塞を発症していると、ST上昇という特徴的な波形を記録できます。
ST上昇が記録されると、心筋梗塞である可能性が高まります。

 

心電図検査で心筋梗塞の可能性がはっきりしない場合、
もしくは心電図検査とあわせて血液検査や心エコー検査も行っていきます。

 

血液検査では、心筋梗塞の進行度を知ることができます。
心筋梗塞では心筋の壊死が急速に進んでいます。
このとき、壊死によって血中に流れ出た酵素を測定することで、
心筋梗塞の発症時間や、心筋の壊死の度合いを診断することができます。

 

さらに、心エコー検査では、心筋梗塞によって壊死した心筋の部位と範囲がわかります。
心エコー検査とは、心臓の動きを超音波で観察する検査のことです。
心筋梗塞を発症していると、心筋梗塞によって壊死し動かなくなります。
このように動かなくなった心筋の状態を心エコー検査で確認することで総合的な診断に役立ちます。

 

 

 

B精密検査 
診察および基礎検査によって心筋梗塞が強く疑われるときは
精密検査によってさらに心臓の状態を詳しく診ていきます。

 

精密検査で行われるのは

 

・心臓カテーテル検査
・心臓核医学検査
・冠動脈CT検査
・心臓MRI検査

 

などです。

 

これらのうち、急性期で特に優れているのが心臓カテーテル検査です。

 

心臓カテーテル検査では、
手首(場合よっては肘や太もも)からカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、
心臓に造影剤を注入していきます。
 
心臓カテーテル検査を行うと、細くなっている心臓の血管を直接確認することができ、
万が一病変が見つかった場合、速やかに治療に移行できるというメリットがあります。

 

急性心筋梗塞では、1秒でも早く治療することで予後が改善します。(心筋梗塞のゴールデンタイムを参照)
そのため、急性心筋梗塞が疑われた場合は心臓カテーテル検査を他の精密検査よりも優先して行うことが多いです。

 

 

心臓核医学検査、冠動脈CT検査、心臓MRI検査は
心臓カテーテル検査と比べ低侵襲で痛みが少ないため
緊急性が低い場合に用いられることが多い検査です。

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