PCIのエクササイズ

カッティングバルーンカテーテルを覚えるエクササイズだ!

さあ、今日もエクササイズの時間だ。

今日のエクササイズは、カッティングバルーンカテーテルだぞ!

 

カッティングバルーンカテーテルは、

バルーンにカミソリのようなブレードがついているバルーンで

病変に切り込みを入れながら拡張していく特殊なカテーテルだ。

 

正確にはスコアリングバルーンカテーテルという名称だが

カッティングバルーンカテーテルと呼ぶ人のほうが多いので

カッティングバルーンの名称で覚えると良いぞ!

 

カッティングバルーンカテーテルは

通常のバルーンカテーテルと比べ使用頻度は低いものの

非常に特徴的で有用はカテーテルだ。

 

このエクササイズを通して、

カッティングバルーンカテーテルの特徴と使いどころをしっかりマスターするんだ!

 

 

これがカッティングバルーンカテーテルのエクササイズの全貌だ!↓

 

カッティングバルーンカテーテルの構造と特徴

カッティングバルーン

バルーン上に設置されたカミソリのようなブレードで、

病変に切り込みを入れながら確実に拡張させる事が出来る。

 

病変の拡張能力は他の一般的なバルーンに比べ最も高い

しかし、通過性が極端に悪いため屈曲部でしばしば引っかかり

病変まで運ぶ事が出来ない事がある。

 

 

カッティングバルーンカテーテルの使いどころ

・高度石灰化病変の拡張

・ステント内再狭窄病変の拡張

 

 

使用上の注意点

・蛇行血管を避けて使用する

・バルーン拡張時はゆっくり慎重に拡張させる

 

よくあるシーンでのトラブルシューティング

・狭窄病変にカッティングバルーンが引っかかり病変を通過しない場合

→一度病変をセミコンバルーンで前拡張してから再度カッティングバルーンを通しにいく

(参照:セミコンバルーンとノンコンバルーンを覚えるエクササイズだ!

 

・どうしても蛇行血管にカッティングバルーンを通したい場合

→サポートワイヤーを使って蛇行血管をまっすぐ伸ばしてからカッティングバルーンを通しにいく

(参照:ガイドワイヤーの種類を覚えるエクササイズだ!

 

 

 

カッティングバルーンカテーテルについて整理していくぞ1

 

構造と特徴

カッティングバルーンカテーテルはカッティングバルーン

バルーン上にカミソリのようなブレードがついている

特殊なバルーンカテーテルだ。

 

ブレードにより病変に切り込みを入れながら拡張させる事が出来るため

高度石灰化病変のような固い病変でも確実に拡張させる事が出来るぞ!

 

他のバルーンカテーテルと比べて圧倒的に高い病変拡張性能。

これこそがカッティングバルーンカテーテルの最大の特徴だ。

 

 

カッティングバルーンカテーテルの使いどころ

①高度石灰化病変の拡張

カッティングバルーンカテーテルの病変拡張性能は極めて高く

セミコンバルーンやノンコンバルーンで広げれない固い高度石灰化病変でもなんなく拡張させることができる。

(参照:セミコンバルーンとノンコンバルーンを覚えるエクササイズだ!

 

手技中、もし固すぎて一般的なバルーンカテで拡張困難な病変に遭遇したら

カッティングバルーンを試してみよう!

良好な結果が得られるはずだ。

 

 

②ステント内再狭窄病変の拡張

ステント内再狭窄病変の拡張でも、カッティングバルーンはよく使われる。

 

ステント内再狭窄の場合、

通常は再狭窄したステントの内側に新たなステントを留置するのだが

この治療戦略のデメリットとして、

再狭窄を繰り返すたびにステントを追加することになり

最終的にステントの厚みで血管径がどんどん狭くなってしまうことが挙げられる。

 

そこで、カッティングバルーンの高い病変拡張性能に期待して

再狭窄病変を目一杯広げることで、

バルーン拡張だけで治療を完了する戦略がとられることがあるぞ!

 

 

使用上の注意点

①蛇行血管を避けて使用する

カッティングバルーン通過性

カッティングバルーンカテーテルは高い病変拡張性能をもつ反面、

固いブレードのせいでバルーン自体の柔軟性がなくなり、

通過性能が極端に低くなっているのが欠点だ。

 

右の写真のような冠動脈の場合、

屈曲部分にひっかかって病変まで運ぶことが難しいぞ!

 

カッティングバルーンカテーテルを使用する際は、

屈曲のキツい血管を避け、なるべく素直な血管に対して使っていくのが基本だ!

 

②バルーン拡張時はゆっくり拡張すること

カッティングバルーンは、構造的にバルーン外側にブレードがついている。

そのため、バルーン拡張時に一気に圧力をかけると血管を傷つける恐れがある。

 

バルーン拡張時はゆっくり慎重に拡張した方が安全だぞ!

 

いきなりノミナール圧までガツんと拡張するのではなく、

3気圧→4気圧→5気圧→6気圧といった具合に

徐々に拡張圧を上げていき、血管を傷つけないよう慎重に拡張するんだ!

 

 

よくあるシーンでのトラブルシューティング

①狭窄病変にカッティングバルーンが引っかかり病変を通過しない場合

狭窄病変が石灰化していたり、狭窄自体がとてもキツい場合

カッティングバルーンカテーテルが狭窄病変の手前で引っかかり病変を通過しないことがある。

 

そんなんときは、セミコンバルーンで前拡張してから

再度カッティングバルーンを通しにいけば

殆どの場合で病変を通過させることが出来るぞ!

 

(セミコンバルーンでの前拡張については、

セミコンバルーンとノンコンバルーンを覚えるエクササイズだ!を参照)

 

 

②どうしても蛇行血管にカッティングバルーンを通したい場合

症例によっては蛇行している血管に対して

なんとかカッティングバルーンを通しにいきたいこともある。

 

そんなときは、サポートワイヤー(ガイドワイヤーの一種)を使って

蛇行した血管を伸ばしてあげると、カッティングバルーンを通せる事があるぞ!

 

(参照:ガイドワイヤーの種類を覚えるエクササイズだ!

 

 

まとめ

カッティングバルーンカテーテルは高い病変拡張性能を誇る特殊なバルーンカテーテルだ。

とても偏ったスペックを持ってる反面、取り扱いには注意も必要だ。

 

カッティングバルーンカテーテルの特性と使いどころ、

使用上の注意点とトラブルシューティングをしっかり理解して

安全に、そして戦略的に手技を進めていくんだ!