PCIのエクササイズ

PCI用ガイドワイヤーの選び方、使い分けの方法を覚えるエクササイズだ!

さあ、今日もエクササイズの時間だ!

今日のエクササイズはシーン別のPCI用ガイドワイヤーの選び方だぞ!

 

ガイドワイヤーとは、

PCIの手技でバルーンやステントなどを運ぶ為の髪の毛の細さの針金の事だ。

 

ガイドワイヤーにはたくさんの種類があり、

商品数だけも星の数ほどある。

 

そのため、どういったシーンでどんなガイドワイヤーを選択したら良いのか?

ガイドワイヤー選び方、使い分けの方法を学びたくても途方に暮れる人が本当に多い。

 

実をいうとガイドワイヤーは基本的なポイントをいくつか知るだけで

かなり実践的な使い分けができるようになるぞ!

 

今日のエクササイズは、シーン別のガイドワイヤーの選び方だ。

手技中、どういったシーンでどんなガイドワイヤーをチョイスしていったらいいか、しっかり理解していこう!

 

これが、ガイドワイヤーの種類とその使い分けの全貌だ!↓

 

 

PCI用ガイドワイヤーに対する基本的なスタンス

最新のファーストチョイスワイヤーを使えば80%の病変は通せる。

残り20%の病変について、個々のワイヤーの特性が大事になる。

 

 

シチュエーション別 ガイドワイヤー選択の順番

 

■一般的な病変の場合

①ファーストチョイスワイヤー

②ポリマーコートワイヤー

③サポートワイヤー の順で使う。

 

■CTO病変の場合

①ファーストチョイスワイヤー

②テーパーワイヤー

③先端加重の重いワイヤー の順で使う。

 

ガイドワイヤーの分類についてはこちらを参照:ガイドワイヤーの種類と特徴を覚えるエクササイズだ!

 

 

複数のガイドワイヤーを同時使用するときの注意点

複数のガイドワイヤーを同時使用すると、

手技の途中で各ガイドワイヤーの見分けがつかなくなり訳が分からなくなってしまうことがある。

 

そんな時は、ガイドワイヤーの手元部分の色が違うものを使うと、

すべてのガイドワイヤーを簡単に区別することができる。

 

 

ガイドワイヤーの選び方、使い分けの方法を1つずつ整理していくぞ!

 

PCI用ガイドワイヤーに対する基本的なスタンス

まず、ガイドワイヤーについての大前提を押さえておこう。

 

これを言ってしまうとメーカーさんに怒られそうだが、

実は最新のファーストチョイスワイヤーであれば、

どんなものを使っても80%以上の病変は通ってしまう。

 

よくガイドワイヤーのメーカーさんが

「先端の構造がこう改良されて、こんなにトルクが伝わるようなったんですよ!」

と商品をPRするのだが、

正直、今のガイドワイヤーはどれも性能が良く

病変に通すという意味合いにおいてほどんど差がなくなっている。

 

「最新のファーストチョイスワイヤーを使えば80%の病変は通せる。」

 

この大前提をしっかり理解するんだ!

 

そして、ファーストチョイスワイヤーで通せなかった残りの20%の病変で

はじめて個々のワイヤーの構造や特性が重要になってくるぞ!

 

 

一般病変でのガイドワイヤー選択の順番

 

一般病変では、

①ファーストチョイスワイヤー

②ポリマーコートワイヤー

③サポートワイヤー

 

の順でガイドワイヤーを選んでいくのがセオリーだ。

 

(ガイドワイヤーの分類についてはこちらを参照:ガイドワイヤーの種類と特徴を覚えるエクササイズだ!

 

まず、一番最初に選ぶ①ファーストチョイスワイヤーの段階で

全体の8割程度の病変は通す事が出来る。

 

ところが、

・病変の石灰化がキツかったり

・血管自体の蛇行がキツかったり

すると、ファーストチョイスワイヤーが引っかかって思うように進まない。

 

そんなとき、②ポリマーコートワイヤーを使う事で問題を解決できるぞ!

 

ポリマーコートワイヤーは、

親水性のポリマーでワイヤー先端がコーティングされており

血管内をツルツル滑らすことができる。

 

そのため、ファーストチョイスワイヤーではひっかかって進まなかった部分でも、

ポリマーの滑走性能でツルっと通す事が出来るぞ!

 

また、ポリマーコートワイヤーが病変を通過した後、

病変までバルーンやステントを運ぼうした時に( 参照:PCIの手技の手順を覚えるエクササイズだ!)、

血管の蛇行がキツすぎてデバイスが途中で引っかかることがある。

 

そんなときは、サポートワイヤーを使って

蛇行した血管をまっすぐ伸ばしてやれば

スムーズにデバイスを通過させることができるぞ!

 

 

CTO病変でのガイドワイヤーの選択方法

 

CTO病変では、

①ファーストチョイスワイヤー

②テーパーワイヤー

③先端加重の重いワイヤー

の順でガイドワイヤーを選んでいくのがセオリーだ。

 

 

ここでのポイントは、

一番最初からCTO病変用のテーパーワイヤーを使わないことだ。

 

実は、CTO病変であっても

一般病変用のファーストチョイスワイヤーが

すんなり通ってしまうことがよくある。

 

そのため、最初から貫通力の高いテーパーワイヤーを使うのではなく

まずは安全に扱えるファーストチョイスワイヤーで様子をみるのが

パーフォレーションのリスクを最小限に抑えた安全なCTO病変の攻め方となるぞ!

 

そして、ファーストチョイスワイヤーがCTO病変を通らなかった時

はじめて、テーパーワイヤーを選択するんだ。

 

この時、テーパーワイヤーはできるだけ先端加重の低いものから順に出していこう。

 

テーパーワイヤーは先端が針のように尖っているため

とてもパーフォレーションのリスクが高い。

そのため、なるべく先端加重の低いものから順に試していき

徐々に加重を高くしていくのが安全に手技を行う為のポイントだぞ!

 

さらに、テーパーワイヤーでも病変を貫通できないことがよくある。

そんなときは先端加重の重いワイヤーでゴリ押しするんだ!

先端加重の重いワイヤーは貫通力が非常に高く、場合によってあ血管壁を貫くリスクすらある。

しかし、どうしても突破できない硬い病変では、この卓越した貫通力が必要になる。

もしこのワイヤーが通らなければ、他に通す手段がない。つまり、その時点でPCI続行不能で手技終了なるぞ!

 

複数のガイドワイヤーを同時使用するときの注意点

症例によってはガイドワイヤーを2本、3本と複数出すことがある。

この時、注意しなくてはいけないのが「各ガイドワイヤーの区別」だ。

 

特に、CTO病変の場合、

一般病変用のガイドワイヤーとCTO用のガイドワイヤーを同時に使用している。

 

この時、術者の先生が一般病変用のガイドワイヤーだと思ってCTO用のガイドワイヤーを手に取ってしまったら事故の原因となる。

 

そんなときは、各ガイドワイヤーを明確に区別できるよう工夫しよう。

 

実は、各ガイドワイヤーの手元部分の色はメーカーや種類によって違っている。

青のものもあれば、緑、茶色のものもある。

 

ガイドワイヤーを複数使用する場合は、手元部分の色が異なるガイドワイヤーを使用する事で

ガイドワイヤーの取り違えを防止し、手技を安全に進める事が出来るぞ!