さあ、今日もエクササイズの時間だ。
今日のエクササイズは、虚血部位の推定だぞ!
ST変化というと、ST上昇・低下の2種類を指す。
そして、ST上昇の場合、どの12誘導で起こっているのかがわかると、
■心臓のどの部位が虚血を起こしているか、
■虚血の原因となる責任冠動脈も推定できるぞ!
これが心電図の読み方:ST変化を覚えるエクササイズの全貌だ!↓
梗塞部位 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | aVR | aVL | aVF | V1 | V2 | V3 | V4 | V5 | V6 | 主な閉塞枝 |
前壁中隔 | ○ | ○ | ○ | ○ | LAD | ||||||||
広範前壁(前壁と中隔と側壁の一部) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | LAD | ||||
側壁 | ○ | ○ | ○ | ○ | LCA | ||||||||
高位側壁(側壁の上の方) | ○ | ○ | LCA | ||||||||||
下壁 | ○ | ○ | ○ | RCA | |||||||||
純後壁 | * | * | RCAとLCX |
*ST低下、R波の増高、T波増高
注意点)ST低下ではこの表は当てはまりません。
心電図の読み方:ST上昇の虚血部位の推定方法を整理していくぞ!
まずは、STの上昇の意味をしっかり押さえておこう!
ST上昇を確認したとき、
12誘導中、どの誘導でST上昇がみられるかで
どの部位に虚血があり、その原因となる責任冠動脈の推定ができる。
下の表の『○』が付いている部分にST上昇があると
それぞれ対応している部位に原因があると推測できるぞ!!
ex)Ⅱ、Ⅲ、aVFにST上昇があった場合、
虚血部位は『下壁』で、責任冠動脈は『RCA』
梗塞部位 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | aVR | aVL | aVF | V1 | V2 | V3 | V4 | V5 | V6 | 責任冠動脈 |
前壁中隔 | ○ | ○ | ○ | ○ | LAD | ||||||||
広範前壁(前壁と中隔と側壁の一部) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | LAD | ||||
側壁 | ○ | ○ | ○ | ○ | LCA | ||||||||
高位側壁(側壁の上の方) | ○ | ○ | LCA | ||||||||||
下壁 | ○ | ○ | ○ | RCA | |||||||||
後壁 | * | * | RCAとLCX |
*ST低下、R波の増高、T波増高
ちなみに、この表が当てはまらないST上昇が起こった場合、
そのST上昇は貫壁性虚血ではなく、ほかの原因(早期再分極)の可能性も考えられるぞ!
また、上の表はST低下では当てはまらない事もしっかり理解しておこう!
心電図の読み方:ST上昇から虚血部位を推定するエクササイズを始めるぞ!
虚血部位推定エクササイズ① 空欄を埋めて表を完成させるんだ!
早速、心カテ隊員専用ページから、
『心電図の読み方:ST変化を覚えるエクササイズシート』をダウンロードし印刷しよう。
まだ心カテ隊に入隊していない人は、今すぐ入隊してエクササイズシートを入手しよう。
エクササイズシートの3ページ目の下に、
虚血部位を推定する表が用意されている。
これは穴埋め用だから、上の表を参考にしながら
空白を埋めて完成させよう!
実際に書いてみることで、
どの誘導がどの責任部位と対応しているかが理解できるぞっ!
また、表の下にある注意書きの空欄も一緒に埋めよう。
初心者が混乱しやすい点をスッキリまとめてあるから
虚血部位の推定方法を正しく理解できるぞ!
よーし、その調子だ。いい感じだぞ!
心電図から虚血を発見することは
早期発見・早期治療にとても重要だ!
心電図を見た時に一瞬で判断できるようになるために、
自分の中で常識になるまで何度も反復練習するんだ!!
おすすめの心電図本
■見ておぼえる心電図のえほん(心カテ隊長のレビューはこちら)