さあ、今日も心カテ用語を解説していくぞ!
今日解説するのは心電図のR on T(アール オン ティー)だ。
R on Tとは、心電図上でQRS波とT波が重なる現象で様々な原因によって起こるぞ!
R on Tの心電図波形のイメージ
R on Tの原因
生理的に起こるR on T
R on Tは不整脈が原因で起こることがある。
特に良くあるパターンは、心室性期外収縮だ。
心室性期外収縮とは、心室が突然収縮する心臓のしゃっくりのような不整脈で、期外収縮のタイミングがちょうどT波に重なるとR on Tとなる。
また、トルサード・ポアンと呼ばれる心室頻拍が起こる直前にもR on T現象が見られることがあるぞ!
医原性R on T
一時ペーシングカテーテルや、アブレーション中のペーシング刺激を行う際、アンダーセンスした状態でペーシングを行うと人為的にR on Tを作り出してしまう事がある。
特に、急性心筋梗塞の緊急PCIで行う一時ペーシングでは、バタバタした状況でパラメータを設定しなければならない。
そのため、アンダーセンスを見逃してR on Tを引き起こし、そのまま心室細動に移行させてしまうことがあるから注意が必要だぞ!
医原性のR on Tにより心室細動を誘発してしまった場合、ほぼ必ずと言っていい程近くに除細動器がある。
だから、それにより重大な事故(=死亡)につながる事は稀だ。
R on Tのまとめ
R on Tは致死性の不整脈を引き起こす可能性がある危険な現象だ。
心電図上でR on Tを見つけたら、直ぐに医師に報告して迅速に対処していこう。
心カテをゼロから体系的にマスターしていこう!
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