さあ、今日もエクササイズの時間だ。
今日のエクササイズは通常型の心房粗動(AFL)のカテーテルアブレーションで使用するカテーテルの種類だぞ!
心房粗動には三尖弁輪上を旋回するリエントリー回路によって起こる通常型と、それ以外のリエントリー回路によって起こる非通常型がある。
今日のエクササイズで扱うのは三尖弁輪上を旋回する通常型の心房粗動の方だ。
カテ室で「今日はフラッター(←心房粗動のこと)の症例があるよ〜」と言われたら殆どの場合、通常型の心房粗動を意味してるぞ!
どんなカテーテルを使って治療していくのか、エクササイズを通してしっかりマスターしていこう!
これが、エクササイズの全貌だ!
通常型心房粗動で使用するカテーテルの種類
・Halo(ヘイロー)カテーテル
・CS(シーエス)カテーテル
・アブレーションカテーテル
通常型心房粗動のカテーテル配置
通常型心房粗動アブレーションのカテーテルを、1つずつ整理していくぞ!
通常型心房粗動で使用するカテーテルの種類、配置と使用用途
通常型心房粗動のアブレーションでは、以下の3種類のカテーテルを使うのが一般的だ。
・Halo(ヘイロー)カテーテル
・CS(シーエス)カテーテル
・アブレーションカテーテル
通常型心房粗動は三尖弁輪上を旋回するリエントリー回路によって起こる不整脈だ。
アブレーションで治療する際は、三尖弁輪と下大静脈の間にあるRAイスムスと呼ばれる部分にブロックラインを作り、リエントリー回路を断絶していくぞ!
(参照:心房粗動アブレーションのブロックラインを覚えるエクササイズ)
Haloカテーテルは三尖弁輪をぐるりと囲むように留置する20極の電極カテーテルだ。
治療中はHaloカテーテルの心内電位を見ながら三尖弁輪上にあるリエントリー回路の状態を観察していく。
アブレーションによってリエントリー回路が断絶できたかどうかはHaloカテーテルをみることで判断できるぞ!
CSカテーテルは、CS(冠静脈洞)内に留置される10極の電極カテーテルでブロックラインを作る際にCS入口部(CS-os)からペーシングを入れるために使われる。
手技中はCS入口部からペーシングしながらHaloカテーテルの心内電位を観察していくぞ!
アブレーションカテーテルは、高周波によって心筋を焼灼しブロックラインを作るために使われるぞ!
心房粗動で使われるアブレーションカテーテルは先端チップが8mmの大きいタイプを使うことが多い。
(*AVNRTやPafでは4mmを使うのが一般的)
8mmを使うメリットは、高出力で広範囲の心筋を一気に焼くことが出来る点だ。
デメリットとしては、通電中の温度上昇が激しいためカテ先端がパウチ(心臓の凹み)に入った時に出力が下がりやすく心筋が生焼けになることが多い点だ。
このパウチ部分の不完全焼灼は心房粗動のアブレーションで難渋する主な原因の1つだぞ!
まとめ
通常型心房粗動のアブレーションでは3種類のカテーテルを使って手技を進めていく。
それぞれのカテーテルの種類と用途をしっかり押さえておこう!