さあ、今日もエクササイズの時間だ!
今日のエクササイズは、CTO病変(慢性完全閉塞病変)だぞ!
CTO病変へのPCIは、他のあらゆる病変へのPCIと比べ難易度の高い手技だぞ!
難易度が高いだけに、手技のリスクも高い。
より安全な手技を行うにはカテ室スタッフ全員が一丸となって手技に臨む必要がある。
そのためにも、エクササイズを通して
CTO病変(慢性完全閉塞病変)への理解を深めるんだ!
これがCTO病変(慢性完全閉塞病変)を覚えるエクササイズの全貌だ!↓↓
■CTO病変(慢性完全閉塞病変)とは
CTO病変(慢性完全閉塞病変)とは、冠動脈が100%狭窄した古い病変。
多くの場合、CTO病変により不足した血流量は、
側副血行路(コラテラル)によって補われている。
■CTO病変(慢性完全閉塞病変)を治療する意義
①急性心筋梗塞による死亡リスクを軽減する
②より多くの血流を安定的に供給し、心機能を改善する
③CABG(血管バイパス手術)よりも低侵襲
④患者さんへの不安が少なく、治療手段として選ばれやすい
■CTO病変(慢性完全閉塞病変)治療の問題点
①手技に時間がかかる
②合併症のリスクが高い
③成功率が低い
④再狭窄率が高い
CTO病変(慢性完全閉塞病変)を整理していくぞ!
CTO病変(慢性完全閉塞病変)について
CTO病変とは、
狭窄によって血流が一切流れなくなった
100%狭窄病変の事を指すぞ!
CTO病変では、血管が完全に詰まっているため
病変より末梢側へは一切血流が流れない。
そのため、不足した血流を側副血行路(コラテラル)と呼ばれる
他の枝から伸びてきた血管で補っている。
本来は側副血行路(コラテラル)のおかげで、
心筋がすぐに壊死する状態ではないため、
急いで治療しなくても大丈夫なことが多い。
しかし、側副血行路(コラレラル)の走行や
患者さんの自覚症状によっては治療が必要な場合もあるぞ!
CTO病変(慢性完全閉塞病変)を治療する意義
①急性心筋梗塞による死亡リスクの軽減
例えば、LADがCTOとなった場合、
側副血行路はRCAから伸びてくる。
この状態でRCAが詰まり急性心筋梗塞になると、
RCAとLADの両方が同時にダメになり
高確率で患者さんが危険な状態に陥る。
ところが、あらかじめCTO病変を治療しておけば
RCAが詰まってもLADから血流が確保できるため
そうしたリスクを軽減できる。
だからCTO病変を治療して本来の血流走行を確保しておくんだ。
②より多くの血流を安定的に供給し、心機能を改善する
側副血行路での血流供給では
1本の血管でより広い範囲の心筋を栄養しなければならず
心筋にとって十分な血流量を供給できていない場合がある。
そのため、
CTO病変を治療して本来の血流量を確保し、
心機能を改善させるんだ!
③CABG(血管バイパス手術)よりも低侵襲
CABGは、開胸したり血管を切り貼りしたりと
侵襲度合いが高く、体への負担が大きい。
それに比べ、
細いシースを数本刺すだけで行えるカテーテル手術は
低侵襲であり、感染症のリスクも少ないぞ!
④患者さんへの不安が少なく、治療手段として選ばれやすい
バイパス手術に比べ、PCIの方が
患者さんも手技に対する不安が少なく、治療手段として選ばれやすい。
患者さんの立場で考えてみよう。
諸君が患者さんだとして、担当の医師から
「開胸する外科手術と、
開胸しないカテーテル治療の2つがあるんですが、
どちらにしましょうか・・・?
外科手術はしばらく入院が必要です。
カテーテルは2~3日の入院で出来ますけど・・・」
なんて聞かれたら
「じゃぁ、とりあえずカテーテルでお願いします。」
っていいたくなるはずだ。
PCIの方が圧倒的に体への負担が少ないから
患者さんも安心して受ける事ができるぞ!
CTO病変(慢性完全閉塞病変)治療の問題点
CTO病変(慢性完全閉塞病変)へのPCIは
良いことばかりではない。
治療するに当たって様々な問題点を抱えているぞ!
①手技に時間がかかる
CTO病変へのPCIは通常病変の治療に比べて
多くの時間がかかる。
なぜなら、病変が完全にふさがっているため
そもそもガイドワイヤーを通すこと自体が難しい上、
仮に上手に通せたとしても、
その次のバルーンを通す際に難渋することもある。
そのため、カテに関わるスタッフには
長時間にわたる高い集中力が要求されるぞ!
②合併症のリスクが、他の病変に比べ高め
CTO病変へのPCIでは、
CTO病変専用の特殊なガイドワイヤーが使用されることがある。
CTO専用のガイドワイヤーは
通常のガイドワイヤーに比べて高い加重がかかるため冠動脈穿孔のリスクが高まる。
また、非常に狭い隙間にデバイスを通していくので
血管に負荷がかかり血管を傷つけることもある。
だから、術中に合併症を引き起こすリスクが他のPCIと比べて高めだぞ!
③他のPCIと比べ成功率が低め
CTO病変へのPCIを成功させるには
手技中、いくつもの課題を突破する必要がある。
そもそもワイヤーが通らなかったり
ワイヤーが通っても、次のデバイスが通らなかったり
さらにデバイスが通った後も、
上手に病変を拡張できなかったりと様々な困難が想定される。
最近はワイヤーやバルーンの性能が上がったため
成功率も高くなっているが、
それでも10%くらいの確率で失敗に終わってしまうぞ!
④再狭窄率が高い
CTO病変へのPCIで最も厄介なのが再狭窄率だ。
通常病変ではほとんど再狭窄しないDESでも
20%ほどの確率で再狭窄を起こしてしまう。
道具の性能が上がり、カテの成功率が上がっても
この再狭窄率に関しては打つ手がないのが現状だ!
CTO病変(慢性完全閉塞病変)のPCIに臨むにあたって
通常病変に比べ、
CTO病変へのPCIは非常にタフな手技となる。
難易度の高い手技なだけに、
長時間、集中力を切らすことなく
絶えず患者さんの容態を把握しなければならない。
そして少しでも患者さんに異変があったら、
迅速かつ適切に対応する必要があるぞ!
術者と、それを支えるコメディカルには
普段以上に高い集中力と状況判断能力が要求される手技なため
カテ室のチームワークの見せ所となるぞ!
安全で成功率の高い手技を行うためにも
CTO病変へのPCIの特徴を理解し
万全な体制で手技に臨むんだ!
CTO病変(慢性完全閉塞病変)を覚えるエクササイズを始めるぞ!
エクササイズ① 空欄を埋めて文章を完成させるんだ!
早速、心カテ隊員専用ページから、
『CTO病変(慢性完全閉塞病変)を覚えるエクササイズシート』をダウンロードし印刷しよう。
まだ心カテ隊に入隊していない人は、今すぐ入隊してエクササイズシートを入手しよう。
CTO病変をまとめた
文章が用意してある。
空欄を埋めて、
CTO病変のポイントを理解するんだ!
実際に、書いてみることでCTO病変のポイントが効率よく覚えられるぞ!