さあ、今日も心カテ用語を解説していくぞ!
今日解説するのは高度房室ブロックだ。
高度房室ブロックは、房室ブロックの中でも重症度の高い房室ブロックとされている。
回復の見込みが無い不可逆的な高度房室ブロックは完全房室ブロックに移行する可能性がありとても危険だ。
房室ブロックの概要をしっかり理解していこう!
高度房室ブロックの定義
高度房室ブロックとは、3:1を越えるⅡ度房室ブロックのことだ。
つまり、P波とQRS波の繋がりが、3拍中2拍以上抜ければ高度房室ブロックとなるぞ!
高度房室ブロックの原因
高度房室ブロックは、心筋梗塞に伴う心筋の壊死、もしくは何らかの原因による房室結節付近の障害によって起こる疾患だ。
多くの場合は不可逆的な障害が原因で起こっているぞ!
高度房室ブロックの心電図の特徴
高度房室ブロックの心電図では、P波とQRS波の繋がりが頻繁に断絶している。
つまり、P波だけが何個も見えて、たまにP波→QRS波といった具合につながって見える。
P波とQRS波との繋がりがほとんどない高度房室ブロックの場合、完全房室ブロックとの見分けがつきにくいため長時間心電図で観察する必要があるぞ!
高度房室ブロックの治療
高度房室ブロックの治療は、可逆性のブロックか、不可逆性のブロック化で異なってくる。
薬剤や心筋梗塞が原因で起こる可逆性のブロックの場合は、原因を除去して経過観察していくのが一般的だ。
不可逆性のブロックである場合は、ペースメーカを適応していくが、
もし何らかの理由でペースメーカが適応できない場合は、薬物治療(イソプロやアトロピン)で対処することもあるぞ!
完全房室ブロックとの違い
高度房室ブロックがさらに重症化すると完全房室ブロックとなる。
完全房室ブロックでは、P波とQRS波の繋がりが完全に断絶しているため、P波→QRS波と波形がつながることはない。
完全房室ブロックは突然死する恐れのある危険な徐脈だ。
発見次第速やかに適切な処置をする必要があるぞ!