さあ、今日もエクササイズの時間だ。
今日のエクササイズは硝酸イソソルビドだぞ!
硝酸イソソルビドは心カテで頻繁に使用される薬剤の一つだ。
心カテにおける役割をしっかりと理解しよう!
これが、硝酸イソソルビドを覚えるエクササイズの全貌だ!↓↓
名称 | 作用 | 使用のタイミング | 使用の目的 |
硝酸イソソルビド (別名:ISDN) (商品名:ニトロール) |
抗コリン作用 | 冠動脈造影時 | 冠動脈の攣縮対策 |
〃 |
〃 |
冠動脈造影時 | 正常血管を拡張させ狭窄のシルエットを見やすくするため |
〃 | 〃 | FFR測定時 | 中、大血管を拡張させ最大充血を得る環境を整える |
〃 | 〃 | とう骨動脈へのシース留置時 | とう骨動脈の攣縮防止 |
〃 | 〃 | アセチルコリン負荷試験で冠動脈を攣縮させた直後 | 冠動脈の攣縮解除 |
硝酸イソソルビドについて整理していくぞ!
硝酸イソソルビドの名称
硝酸イソソルビドは
略語表記のISDNとも呼ばれるが、
カテ室では、
商品名のニトロールと呼ばれることが多いから
硝酸イソソルビド=ニトロール
というイメージをしっかりと持っておこう!
硝酸イソソルビドの作用
硝酸イソソルビドは抗コリン作用を持つ薬剤で、
アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害することで、
シナプスを介した神経伝達をブロックするぞ!
硝酸イソソルビドを使用するタイミング
心カテ中での、硝酸イソソルビドの使用タイミングは4箇所あるぞ!
■冠動脈造影時の冠動脈孿縮対策
冠動脈造影する際、造影カテーテルなどで冠動脈を刺激して攣縮を誘発してしまう事がある。
そのような時にニトロを使用する事で、冠動脈を正常な状態に戻す事ができるぞ!
■冠動脈造影時の血管拡張
冠動脈を造影する際、ニトロを使用する事で病変部を見やすくする事ができるぞ!
ニトロは正常な血管は拡張し、病変部は拡張させないという性質をもっている。
だから狭窄のシルエットをはっきりと撮影する事ができ、造影の画像を見やすくできるんだ。
■FFR測定時の血管拡張
ニトロには冠動脈の中、大血管を拡張させる作用がある。
そのため、FFR測定時に微小血管を拡張させる作用のあるATPと併用することで最大充血を得ることができるんだ。
これにより正確なFFR値を得ることができるぞ!
(参照:FFRを覚えるエクササイズ)
■とう骨動脈へのシース留置時
とう骨動脈はシース留置によって攣縮しやすい動脈だ。
だから、シースを留置すると同時に硝酸イソソルビドを投与して
動脈の攣縮を未然に防ぐんだ。
■アセチルコリン負荷試験で冠動脈を攣縮させた直後
アセチルコリン負荷試験では、
薬剤を使用して冠動脈を意図的に攣縮させる。
冠動脈が攣縮したら、ただちに、硝酸イソソルビドを投与して攣縮解除を行うぞ!
硝酸イソソルビドの禁忌と副作用
硝酸イソソルビドの禁忌と副作用は以下の通りだ!
■禁忌
・閉塞性肥大型心筋症
・重度の大動脈弁狭窄症
・重篤な低血圧
・心原性ショック
・頭部外傷/脳出血
・高度な貧血
・硝酸系薬過敏症
■副作用
・ショック
・心房細動(VF)
・心室頻脈(VT)
・頭痛
・血圧低下
・めまい
・動悸
・吐き気/嘔吐
・AST、ALT上昇
・発疹など