さあ、今日もエクササイズの時間だ。
今日のエクササイズは、発作性心房細動(PAF)のアブレーションラインだぞ!
心カテ室では、発作性心房細動をPAF(パフ)と呼んでいる。
「今日はパフが1例あるよ~」
といわれたら、発作性心房細動のアブレーションのことだ!
このエクササイズでPAFのアブレーションラインをしっかりと理解するんだぞ!!
これが発作性心房細動(PAF)のアブレーションラインの全貌だ!↓↓
焼灼部位 | アブレーションラインの描き方 |
肺静脈周り(拡大肺静脈隔離) | 右肺静脈(RPV)及び左肺静脈(LPV)を円で囲むように描く |
図のように肺静脈周りを焼灼して
肺静脈を左心房から電気的に隔離することを拡大肺静脈隔離と言う。
拡大肺静脈隔離を行うと、
心房細動のきっかけとなる肺静脈内の異常興奮が心房に伝わらなくなり
心房細動を防ぐことができる。
発作性心房細動(PAF)のアブレーションラインについて整理していくぞ!
まずは肺静脈周辺の解剖をおさらいするぞ!
手技中は肺静脈の解剖名が乱れ飛ぶ。
だから、ここで一度おさらするぞ!
略語 | 英名 | 和名 |
RPV | Right Pulmonary Vein | 右肺静脈 |
RS | Right Superior Pulmonary Vein | 右上肺静脈 |
RI | Right Inferior Pulmonary Vein | 右下肺静脈 |
LPV | Left Pulmonary Vein | 左肺静脈 |
LS | Left Superior Pulmonary Vein | 左上肺静脈 |
LI | Left Inferior Pulmonary Vein | 左下肺静脈 |
カテ室では略語・英名・和名の3つがごちゃ混ぜで飛び交うぞ!
手技の流れについていくためにも、この3種類はセットで覚えるんだ!
肺静脈周辺を含む心臓全体の解剖は
で復習できるぞ!
解剖名があやふやな人は今すぐチェックしよう!
発作性心房細動(PAF)のアブレーションライン
発作性心房細動(PAF)は、
多くの場合、肺静脈内からおきる電気的な異常興奮が引き金となって起こる。
肺静脈内の異常興奮が心房内に伝わることで心房期外収縮を引き起こし、
その心房期外収縮が引き金となって心房細動に移行するんだ!
発作性心房細動(PAF)のアブレーションでは、
引き金となる肺静脈起源の心房期外収縮を防ぐために、
肺静脈周囲を囲むように焼灼し、
肺静脈内の異常興奮が心房内に伝わるのをブロックする。
これを拡大肺静脈隔離と呼ぶぞ!
まとめ
発作性心房細動(PAF)のアブレーションでは
左右肺静脈をぐるっと大きく円で囲むようなラインを描き、
拡大肺静脈隔離を行っていく。
拡大肺静脈隔離しただけでは防ぐことが出来ない発作性心房細動(PAF)では
追加でルーフやボトムといったラインを焼灼することもある。
「ルーフ」や「ボトム」という言葉は
発作性心房細動の再発や、持続性心房細動のアブレーションで出てくることがあるから余力があれば覚えておこう!