不整脈と心不全は心筋梗塞の代表的な合併症です
心筋梗塞を発症すると、様々な合併症のリスクが高まります。
心筋梗塞の代表的な合併症として不整脈と心不全があります。
不整脈について
心筋梗塞が原因で起こる不整脈として心室細動が挙げられます。
心室細動は心臓が痙攣する不整脈で、心臓が心室細動を起こすと心停止状態に陥ります。
すると患者さんはめまいを経験した後、失神しやがて痙攣を始めます。
多くの心筋梗塞患者が病院にたどり着く前に亡くなるのは
心筋梗塞発症直後に心室細動が起こるためといわれています。
万が一心室細動が起こってしまっても、迅速にAEDで電気ショックを施すことで救命が可能です。
AEDによる救命率は心室細動後1分経過するごとに10%ずつ下がっていくといわれています。
つまり、心室細動が起こってから1分後なら救命率90%、2分後なら救命率80%、5分後なら救命率50%といった具合です。
このことから、心筋梗塞から心室細動に移行した場合は可能な限り早くAEDで処置しなければなりません。
心不全について
心筋梗塞による合併症として心不全も挙げられます。
これは心筋の壊死が広範囲に広がることで心臓の機能が著しく低下することによって起こります。
心不全に陥ると、心臓の収縮力が低下し全身に十分な量の血液を送り出すことができなくなります。
それにより、心臓や肺に血液がたまり呼吸困難を引き起こします。
心不全がさらに進行すると血圧が下がり、全身が酸欠状態になります。
すると心原性ショックを起こし、臓器の機能が低下し死に至ります。