AVNRT(房室結節リエントリー頻拍)にはcommon AVNRTとuncommon AVNRTの2種類があります。
common AVNRTとは、ファースト→スローの回路を回る通常型のAVNRTで、カテ室で最も良く見かける一般的なAVNRTです。
対して、uncommon AVNRTとは、common AVNRTとは異なる回路の回り方をする稀有型のAVNRTのことです。
カテ室でアブレーションをしていると稀に遭遇することがあります。
uncommon AVNRTのリエントリー回路の回り方
uncommon AVNRTのリエントリー回路の回り方にはファースト→スローを回るパターンと
ファースト/スロー/スローの三重伝導路を持つ患者さんで、スロー→スローの回路を回るパターンが多いように思います。
ファースト→スローパターンのuncommon AVNRTでは、頻拍発作中にcommon AVNRT特有のジャンクションリズムにならないため素人目だとAVNRTだと判断できないことがあります。
スロー→スローパターンのuncommon AVNRTでは、エキストラペーシング中に2カ所ジャンプアップする箇所があるので分かりやすいです。
例えば、エキストラペーシング中、250msと220msの2カ所でジャンプアップが確認されたら3重伝道路の存在が疑われスロー→スローパターンのuncommon AVNRTの可能性が浮上します。
uncommon AVNRTの焼灼部位
ファースト→スローパターンのuncommon AVNRTではスローパスウェイをターゲットにしていきます。
スロー→スローパターンのuncommon では、
2本あるスローパスウェイの両方ターゲットにするのが望ましいとされていますが、
2本とも焼灼しようとするとファーストパスウェイを障害してAVブロックになるリスクがあるため
2本のうち1本だけを焼灼して手技を終わる場合もあります。