さあ、今日もエクササイズの時間だ!
今日のエクササイズはIABPの大動脈圧波形だぞ!
IABPは心機能が著しく低下した患者さんのための補助循環装置だ。
そして、IABPで使用するバルーンの拡張と収縮は
適切なタイミングで行わないと十分な効果が得られないぞ!
バルーンの拡張・収縮タイミングは大動脈圧波形を基に決定していく。
このエクササイズを通してIABPの大動脈圧波形の読み方をしっかりと理解するんだ!
これがIABPの大動脈圧波形を覚えるエクササイズの全貌だ!↓↓
適切なタイミングで拡張・収縮させた場合の大動脈圧
~適切な大動脈圧波形のポイント~
①十分な心拍出が確認できる(バルーンの拡張が心拍出を邪魔していない)
②拡張後大動脈内圧が十分に上昇し、冠動脈への血流量が増加している
③収縮後大動脈圧が急激に低下しており、後負荷が軽減している
誤ったタイミングで拡張・収縮させた場合大動脈圧波形
拡張のタイミングが早い場合 |
拡張のタイミングが遅い場合 |
収縮のタイミングが早い場合 |
収縮のタイミングが遅い場合
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IABPの大動脈圧波形を整理するぞ!
IABPでのバルーン拡張収縮のタイミングは非常に重要だ!
もし適切なタイミングで拡張収縮させなければ
かえって心臓への負担を大きくするぞ!
適切な大動脈圧波形
拡張収縮のタイミングは大動脈圧波形を見ながら決めていく。
まずは適切なタイミングの大動脈波形から解説するぞ!
適切な大動脈圧波形を見るポイントは3つだ。
まず最初は①十分な心拍出があることだ。
心臓が収縮した直後、大動脈圧が下がるポイントが有る。
この時、大動脈圧が十分に下がってからバルーンを拡張させないと
末梢血管へ行くはずの血流を阻害してしまい、
一回の拍出量が減少してしまうぞ!
次に②冠動脈への血流量増加だ。
末梢血管へ十分血液を流した後、
心臓が拡張する直前にバルーンを拡張させて大動脈圧を上昇させるんだ。
そうすることで、上行大動脈側に血液を逆流させて
冠動脈への血流量を増加させるぞ!
最後に、③急激に大動脈圧を低下させるんだ。
心臓が収縮する直前にバルーンを収縮させることで
大動脈圧を急速に低下させ
心臓が容易に末梢血管まで血液を運べるように補助するぞ!
誤ったタイミングでの大動脈圧波形
誤ったタイミングでバルーンを拡張収縮させると
心臓の負担を大きくしてしまい
IABPを留置した効果が十分に得られない。
拡張のタイミングが早いと
心臓の拍出を妨げてしまい、心臓に余計な負荷をかけてしまう。
拡張のタイミングが遅いと
心臓の拡張期に大動脈圧を十分高く上げることができないため
上行大動脈側に血液が逆流せず、冠動脈への血流量を増やすことが出来ない。
そうなると、心臓への酸素供給量が減り心臓に負担がかかるぞ!
収縮のタイミングが早いと
せっかく高めた大動脈圧を長時間維持できないため
冠動脈に血液が逆流する時間が減ってしまう。
結果的に心臓への酸素供給量が減り心臓に負担がかかるぞ!
収縮のタイミングが遅いと
心臓の収縮期に大動脈圧を十分に下げられないため
心臓が一回拍出に必要な力が増えて
心臓への負担が大きくなるぞ!
バルーンの拡張収縮のタイミングは非常に重要だ!
バルーンを留置する時はもちろんのこと、
留置後の看護でも定期的に大動脈圧波形を見て
適切なタイミングで拡張収縮しているか確認するんだ!!
IABPの大動脈圧波形を覚えるエクササイズを始めるぞ!
エクササイズ①表の中の空欄を埋めるんだ!
早速、心カテ隊員専用ページから、
『IABPを覚えるエクササイズシート』をダウンロードし印刷しよう。
まだ心カテ隊に入隊していない人は、今すぐ入隊してエクササイズシートを入手しよう。
IABPの大動脈圧波形を記入する表が用意されている。
表の中に大動脈波形を書き込み
空欄を埋めて表を完成させるんだ!