フェモラル・アプローチ(femoral approach)を覚えるエクササイズだ!

さあ、今日もエクササイズの時間だ!
今日のエクササイズはフェモラル・アプローチだぞ!

フェモラル・アプローチという用語は、カテーテルの穿刺部位を決めたり、指示したりするときに頻繁に使用される。
カテ室で仕事する上で必ず知っておかなければいけない最重要ワードの1つだ。
フェモラル・アプローチとはどのようなものなのか、エクササイズを通して完璧にマスターしていこう!

 

これがフェモラル・アプローチの全容だ!

・用語の意味
フェモラル・アプローチ=鼠径穿刺
動脈を刺した場合は大腿動脈穿刺、静脈を刺した場合は大腿静脈穿刺と呼ばれる。

フェモラル・アプローチが採用される主な手技

  • PCI
  • アブレーション
  • 補助循環(IABP / PCPS)

メリット・デメリット

  • メリット:穿刺が容易で太いサイズのシースが入れられる
  • デメリット:術後の安静時間が長い

術前準備・看護のポイント

  • 鼠径部の剃毛を行う(施設によっては行わないところもある)
  • 足背動脈の触知を確認しておく(マーキング)
  • 尿道留置カテーテルの挿入

術後管理・看護のポイント

  • 術後安静
  • 穿刺部の観察
  • 下肢循環の観察

 

フェモラル・アプローチについて整理していくぞ!

フェモラル・アプローチとは、鼠径穿刺のことだ。
動脈を刺した場合は大腿動脈穿刺、静脈を刺した場合は大腿静脈穿刺と呼ばれるぞ!
以下、フェモラル・アプローチのメリットとデメリット、そして術前・術後の看護のポイントについて1つずつ理解していこう!

フェモラル・アプローチのメリット

この穿刺方法では比較的太い血管を穿刺するため、7Frや8Fr(場合によってはそれ以上の大きさの)太いシースを挿入できるというメリットがある。

大きいサイズのシースでも入れられるためカテーテルサイズの制限が少なく、複雑な手技を要すると予測される場合にしばしば採用される。
具体的には、PCIやアブレーション、補助循環(IABPやPCPS)などが鼠径を穿刺する典型症例となるぞ!

フェモラル・アプローチのデメリット

この穿刺方法のデメリットとして術後の安静時間が長いことが挙げられる。
施設にもよるが、術後6時間穿刺側の鼠径部を屈曲させないようベッド上安静が必要だ。
患者さんは長時間足を伸ばしたまま寝ていなくてはいけないため、腰痛が起きやすく、個人差はあるものの検査や治療より術後の安静の方が辛かったと言う人もいるぞ!

術前準備・看護のポイント

フェモラル・アプローチを行う症例では、術前準備として下記の処置を行う。

  • 鼠径部の除毛を行う(施設によっては行わないところもある)
  • 足背動脈の触知を確認しておく(マーキング)
  • 尿道留置カテーテルの挿入

これらの処置は、手技を安全かつスムーズに進めるために重要だ。
鼠径部を除毛することで術者が穿刺しやすくなり、
予め足背動脈の触知を確認しておくことで、術後に下肢循環を評価できるようになる。

そして、尿道留置カテーテルを挿入しておくことで、検査・治療~術後安静と長い時間トイレに行けない状況でも排尿できる他、穿刺部の汚染防止にもなる。
加えて、検査・治療に造影剤を使用する場合、また治療で輸液のinが過多になる場合など、in/outを把握するための術後の尿量を観察にも役立つぞ!
なお、(患者によって)尿瓶でとれる場合は尿瓶で可とする場合もあるから、自分が担当する患者ではどういった対応にするのか主治医に確認しておこう!

術後管理・看護のポイント

術後管理・看護には「術後安静」「穿刺部位の観察」「下肢循環の観察」の3つのポイントがあるぞ!
一つずつ確認していこう。

術後安静の管理・看護のポイント

フェモラル・アプローチを行う場合、まずはじめに患者に術後安静の重要性を説明する必要があるぞ!
これにより、患者に術後安静について理解してもらい、協力を得ことができるんだ。

安静時間内に食事がある場合は、寝たままでも食べやすい固形食(おにぎり、卵焼きなど固まっている副菜)を提供していく。
そして、患者が安静を守れるよう腰痛などの苦痛に対し、(穿刺部を曲げないよう注意しながら)体位変換をしたりクッションで除圧するなどのケアをしていくと苦痛が和らぎやすいぞ!
上述のようなケアでも苦痛が緩和されない場合は、湿布や鎮痛剤などの除痛も考慮していこう。

安静中も下肢静脈血栓症予防で静脈還流を促すため足関節の屈伸運動をしてもらうと良いだろう。
そして、術後安静解除後の初回歩行時も非常に重要な看護ポイントだ。
なぜなら、このタイミングが最も肺動脈塞栓症を発症しやすいため最後の最後まで気を抜かず患者の状態を観察しなければならないぞ!

穿刺部の管理・看護のポイント

心カテやPCIをする患者さん、アブレーション(特にAF)をする患者さんは抗血液凝固剤を飲んでいる人が多く、カテ中もヘパリン化するので術後の出血トラブルを起こしやすい。

そのため、術後は穿刺部を観察して出血トラブルの有無を確認していく必要があるぞ!

観察のポイントは「出血の有無」と「腫脹の有無」「疼痛の有無」の3点だ。
穿刺部の合併症は血腫形成、動静脈瘻、偽動脈瘤などが上げられる。

出血の有無について

止血が不十分であったり、安静が守れず穿刺部を屈曲させてしまったりすると再出血することがある。
しっかり止血が得られているか、出血の有無を観察していこう。

腫脹の有無について

腫脹の原因の多くは「血腫形成」によるものだが、「動静脈瘻」「偽動脈瘤」などができている場合もあるぞ。
動静脈瘻の場合は聴診器で血管雑音が聴取され、偽動脈瘤の場合はエコーで診断が可能だ。

腫脹や血腫を見つけたら、それらが増大しないかマーキングをして経過観察していこう。

穿刺部にて内出血が起こった場合、血腫ができ、腫脹する。
もし腫脹や血腫の増大がある場合、内出血が持続している可能性がある。
その場合は止血が得られるまでひたすら圧迫を続ける必要がある。

動静脈瘻や偽動脈瘤の場合は、外科的治療やTAEなどの追加治療が必要になることもあるぞ!

もし腫脹や血腫の増大がなければ、止血が得られているサインだ。
血腫が吸収されるまで保存的に経過を観察していこう。

血腫が吸収されるスピードは、出血の量や、患者さんの代謝が関わるため一概には言えないが、長期入院の人を除いて、退院後に軽快する患者さんが多い。

疼痛の有無について

腫脹で腫れていたり、穿刺部に何らかのトラブルがあると疼痛を伴うことがある。
そのため、疼痛の有無もあわせて観察していこう。

下肢循環の管理・看護のポイント

フェモラル・アプローチを行うと、末梢動脈塞栓が起こったり、術後、鼠径部の過圧迫や圧迫のずれなどにより下肢循環が悪くなる可能性がある。
そのため、下肢循環が正常であるかどうかを確認するため、「足背動脈の触知(左右差・減弱の有無)」「下肢の色調・冷感」「下肢のうっ血」「しびれの有無」の4つの項目を観察していくぞ!

下肢循環不全の兆候を認めたら医師に報告し、適切に対処しよう。

以上がフェモラル・アプローチの基本だ。
フェモラル・アプローチは心カテでは非常によく見聞きする最重要用語の1つだ。
用語を聞いただけで意味とメリット・デメリット、(もし看護師であれば看護のポイント)が瞬時にイメージできるよう、何度もエクササイズを復習し、完璧に理解しておこう!



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