急性心筋梗塞のゴールデンタイムは発症から6時間以内
急性心筋梗塞を発症した場合、いかに早く治療を受けれるかが生死を分けます。
一般に、急性心筋梗塞を発症してからの6時間をゴールデンタイムと呼んでおり
その時間内に治療を受けることができれば心臓のダメージを最小限にとどめることができることができるとされています。
ゴールデンタイム内に病院に搬送され治療を受けることができた場合の致死率は10%未満です。
つまり、急性心筋梗塞の発作が起こったら可能な限り早く救急車を呼び治療設備の整った病院にいくことが
心筋梗塞から生還するためにとても重要なのです。
ところが、多くの人がこのゴールデンタイム内に治療を受けることができません。
なぜなら、急性心筋梗塞が疑われる症状を経験した人のうち救急車を呼ぶ人が3人に1人もいないからです。
2008年に行われた厚生労働省の調査によると、
急性心筋梗塞が疑われる人が救急車を呼ぶ割合は、平日で12%、夜間や休日でも28%だそうです。
また、WHOによる別の調査によると急性心筋梗塞で亡くなった方の80%は発作から24時間以内に亡くなっており、
そのうち約65%の人は病院にたどり着くことなく亡くなっているという結果も公表されています。
今まで経験したことのない息苦しさや胸の圧迫感を感じても
ついつい我慢してしまう人がとても多いのが急性心筋梗塞です。
倒れる限界まで我慢して、ギリギリになって救急車を呼んで手遅れになるケースもとても多いです。
最近は軽い症状ですぐ救急車を呼ぶ人たちが社会問題になっていますが、
普段とは明らかに異なる胸の違和感や痛みを感じたら、ためらわず救急車を呼びましょう。
急性心筋梗塞は刻々と心臓の細胞が壊死していく恐ろしい病気です。
一度壊死した細胞は二度と蘇りません。
取り返しのつかないことになる前に、専門の病院で適切な治療を受けることがとても大切です。