心臓カテーテル検査のエクササイズ

プレッシャーワイヤーによる冠動脈FFR測定を覚えるエクササイズだ!

さあ、今日もエクササイズの時間だ。

今日のエクササイズは、プレッシャーワイヤーによるFFR(心筋血流予備量比)測定だぞ!

 

 

プレッシャーワイヤを用いて冠動脈内のFFR(心筋血流量予備比)を測定することで

 

PCIを適用すべき狭窄病変と、そうでない狭窄病変の鑑別ができるぞ!

 

このエクササイズを通してしっかりとマスターするんだ!

 

 

これが、プレッシャーワイヤーによるFFR測定を覚えるエクササイズの全貌だ!↓↓

 

 

■FFR値の意味

冠動脈のFFR値は、狭窄病変により

病変遠位部の血流量が、正常時の何%になっているかを示している。

 

 

■FFRの計算方法

FFR = Pd ÷ Pa

 

プレッシャーワイヤー FFR測定部位

 

 

■PaとPdの測定方法

測定圧 測定場所
Pa(大動脈圧) ガイディングカテーテルの先端
Pd(狭窄病変遠位部の冠内圧) プレッシャーワイヤー先端にある圧センサー

*FFR測定の際はATP(アデホス)を投与して、血管を最大限拡張(最大充血)させてから行う。

プレッシャーワイヤー FFR測定方法

 

 

■FFR値の読み方

FFR値 心筋虚血状態 処置
0.75以下 心筋虚血 PCI
0.75~0.80 心筋虚血の場合とそうでない場合がある 病院によってまちまち
0.80以上 心筋虚血であることは稀 薬物療法

 

 

■FFR測定で注意すべき症例

症例名 問題点
大動脈弁狭窄症 正確なPa(大動脈圧)が測定できない
大動脈弁閉鎖不全 正確なPa(大動脈圧)が測定できない
頻脈 激しい心臓の拍動により、
プレッシャーワイヤーが血管壁にぶつかりPdが高くなる場合がある
心房細動 脈拍が不規則なため、圧が安定せず正確なFFR値が得られない場合がある

 

 

 

 

プレッシャーワイヤによる冠動脈FFR測定について整理していくぞ!

 

FFR値の意味と計算方法

プレッシャーワイヤー FFR測定部位FFR値は

大動脈圧(Pa)と狭窄病変遠位部の冠内圧(Pd)の

2つの圧力値から計算される。

 

 

 

この2つの圧力を見ることで、

狭窄病変がどれくらい血流を阻害しているのかがわかるんだ。

 

FFRの計算式は FFR = Pd ÷ Paで、

たとえば、大動脈圧(Pa)を100として狭窄病変遠位部の冠内圧(Pd)が60だった場合、 FFR=60÷100=0.6 となる。

 

このFFR=0.6という数値は、狭窄病変遠位部の血流量が病変がない場合と比較して60%程度になっていることを意味しているぞ!

 

 

 

PaとPdの測定方法

Pa(大動脈圧)はガイディングカテーテルの先端で測定し、

Pd(狭窄病変遠位部の冠内圧)はプレッシャーワイヤーという専用のカテーテルの先端にある圧センサーで測定するぞ!

 

また、正確な数値を測定するために血管拡張作用を持つATP(アデホス)を投与して

血管を最大限拡張させた(最大充血)状態をつくってからそれぞれの圧を測定するんだ。

プレッシャーワイヤー FFR測定方法

 

 

なぜ、ATP(アデホス)を投与して血管を最大限拡張させるのか?

FFRは、狭窄領域の血流量比を判断する指標で、血管の内圧を基に計算される。

 

なぜ、内圧の数値から血流量がわかるのか?ここが重要だ!

 

ATP(アデホス)で血管を最大限拡張(最大充血)させると、

自動能(血圧を一定に保とうとする働き)がストップして、

血管抵抗が最大限に低下する。

 

すると、内圧比と血流量比が等しくなり、内圧の数値から血流量を知ることができるぞ!

 

 

FFR値の読み方

FFR値が0.75以下だと、心筋虚血状態であるといえるぞ!

逆に、FFR値が0.80以上だと心筋虚血状態であることは稀だ。

 

つまり、FFR値<0.75だとPCIの適用病変といえるぞ。

また、FFR値>0.80だと薬物療法の適用病変といえる。

 

0.75~0.80の間はグレーゾーンで

病院によってPCIを適用する場合とそうでない場合に分かれる。

病院の方針に応じて臨機応変に対応しよう。

 

 

これをまとめたのが下の表だ!

FFR値 心筋虚血状態 処置
0.75以下 心筋虚血 PCI
0.75~0.80 心筋虚血の場合とそうでない場合がある 病院によってまちまち
0.80以上 心筋虚血であることは稀 薬物療法

 

 

FFR測定で注意すべき症例

FFRは大動脈圧と冠内圧を基に計算されるため

血圧や脈拍に影響されやすいという欠点をもっている。

 

そのため、血圧や脈拍に影響する疾患がある場合、正確なFFRを測定することが困難になるぞ!

 

例えば、大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全では

大動脈圧が正確に測定できないためFFR値を得ることが困難になる。

 

また、心房細動では脈拍が不規則なため圧が安定せず正確なFFR値を得られないぞ!

 

さらに、頻脈では激しい心臓の拍動により、

プレッシャーワイヤーが血管壁にぶつかりPdが高くなる場合があるので要注意だ!

 

 

プレッシャーワイヤによる冠動脈FFR測定のエクササイズを始めるぞ!

 

エクササイズ① 空欄を埋めて文章を完成させるんだ!

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imageエクササイズシートの3ページに、

FFR測定をまとめた

文章と表が用意してある。

空欄を埋めて、

FFR測定のポイントを理解するんだ!

 

 

実際に、書いてみることでFFR測定のポイントが効率よく覚えられるぞ!